ユミソンコラム:somo*somo

「賑わい創りの道具や」が提供する、現代美術家ユミソンのつれづれコラム。毎月第一・三金曜更新![ただいま運行期間中]

<< 経済について私が知っている二、三の事柄:22. | main | 売れない?展覧会の作り方:002 >>

売れない?展覧会の作り方:001

こんにちわ。ユミソンです。
最近ここの更新もめっきり少なくなってしまっていてごめんなさい。
ユミソンはここ半年ほど、ある展覧会の立ち上げと運営に関っていました。
しばらくはその展覧会について書いていきたいと思います。
展覧会の名前は「ギグメンタ2008-美学校1969年の現在-」展です。
http://gigmenta.org/

「ギグメンタ」とは「ギグ(短いセッション)+メンタ」造語で1986年に美学校の学生たちで学校とは関係なく立ち上げた展覧会の名前が由来です。そのギグメンタの2回目が20年後の2006年に行われ、またその2年後の2008年に今回の3回目が4月1日から13日まで行われました。

今回は美学校の40周年を振り返ってみようということで、大きな展覧会になりました。
発足会議の中で、ギグメンタというタイトルだけでは何を意味しているのかわからないから、副題をつけようということになりました。
最初は「美学校40周年記念展覧会」などの名前があがりましたが、卒業制作展覧会を開くという趣旨ではないので、その違いも含ませながらも短い副題をつけるのは中々難しい課題です。

展覧会の内容を見るとわかるのですが、美学校卒業生が中心でもなく(もちろん卒業生や在校生の作品もありますが、自由参加です。)、一見すると美学校とまったく関りあいのない作家たちが多く参加しています。
たとえば、若頃遊びには来たことがあるけれど通ったことのないみうらじゅんさんを始めとするガロに関る漫画家たちや、授業を持ったことのない舞踏家のダンサーたちが数多く参加しています。

今回の展覧会は『美学校の卒業生を紹介する展覧会』ではなく、『美学校文化を振り返る展覧会』なのです。
なので在籍していたかどうかが問題なのではなく、美学校に通じる時代を作っていたかが問題なのです。
展覧会の基準が明文化しずらく、曖昧で感覚的なところが中心というのも、美学校の特色の一つかなとユミソンは個人的に思いました。

この展覧会の運営に関ったユミソン自身も美学校に関りあいがあると言えばありますが、(晩生の場をいつも美学校を借りていますし)校長先生と仲良しですが、他の先生や生徒さんのことをよく知らないので、薄いといえば薄いのも実際です。
そんなユミソンでもガッツリと制作や運営に関ることになったのは、美学校らしいからだと校長先生に思われたからかもしれません。
もしくは美学校は志は高いものの、有名だったり利益が多い学校とは反対の貧乏学校なので、同じような貧乏アーティストのユミソンだから誘ったのかもしれません(笑)。

話を戻しますと、副題に『40年』と書くと時間軸を強調しているような印象になります。
でも美学校の展覧会が言いたいことは「歴史があるよ!」よりも別の何かではないかとユミソンは思いました。
40年前の現在に利益の為では無く、しかるべくして開校に至ったということが、重要ではないかと考えました。
美学校の発足は1969年です。最後の年とはいえ60年代の時代が求めた結果、生まれた学校です。
(補足ですが、美学校は「自立した学校は可能か」という提言を絵画の学校として可能かという実践の場として中村宏アトリエ・油彩画・絵画中西夏之アトリエ・素描今泉省彦講義講師にて出版社現代思潮社により創立した学校です。)

60年といえば、ベトナム戦争や国内で言えば安保闘争・全学連などのキーワードが代表的かと思います。
ギグメンタの案内のトップにも「60年代は反逆の時代だ」と書きましたが、『60年代』書くとだたの数字ではなくその時代の色を創造するのに、とても都合のよい書き方だと思いました。

今では小さな工房ぐらいに認識されているかもしれない美学校も開校当時は「東京芸大か美学校か」と言われていたほど勢いがあったようです。
(当時学生だった世代からそう聞きましたが、一方で「芸大と美学校以外は学生闘争で閉鎖してたから、他に選択肢が無かったねぇ」とも聞きました(笑)!)

なので、『40周年』より『1969年の現在』と書いた方がより、見た人の直観力に訴えかけられるのではないかと思いました。
その後でくる『しらけ世代』から見れば、「めんどくさい時代だ!」と、展覧会を見る気もなくなってしまうかもしれませんが、反発や見た感じで受ける毒の強さも含めて、「ギグメンタ2008-美学校1969年の現在-」展という名前に至りました。

さて、次回は展覧会を作るのにかかる費用についてのお話をしたいと思います!
売れない?展覧会の作り方 | comments (0) | trackback (0)

Comments

Comment Form

Trackbacks